2021年11月18
琉球國中山王尚 進貢の爲にす。
切に照に、
幣国は、海壌に僻に居し、世々天朝の隆恩を沐て、貢典に、遵依て、貮年に、壱貢し敢えて期を愆やまらざるなり。
茲に康熙肆拾七年分の進貢の期に遇ふに届れば、特に耳目官向英・正議大夫毛文哲・都通事
陳基湘等を遣わして、海船貮隻に座駕り、水梢海船の均幇,上下員役、貮百を過ぎざる員名を
統領して、煎熟硫黄壱萬貮千陸觔、紅銅参千斤を解り運び、福建等處承宣布政司衙門に
前み至りて、役逓して差員差員に護送せられて京に赴き聖禧を祝するを伸べしむ。
此れが爲めに理として合しく咨を備ためて貴部に前み詣らしむれば、煩爲は察照して施行
られたし。須からく咨する者至にるべし。
右は禮部に咨す。
康熙肆拾七年十月 日
註1 沐 恵みを受ける
註2 典 のり 規則 法律
註3 遵 したがう 守りしたがう。
依 したがう。
註4 員名
員 數 物の数 人の数
名 数詞
註4_➀ 差委 官命で差遣する。天子から差遣するを差という。各官庁の差遣するを委という。と(大漢和)差とはと
員は員:指官員、官吏」(漢典)にとある。
以上から差員を意味を考察して、天子が差遣した官吏と考える。
註5 統領 すべおさめる
註6 役逓 旧時よく封筒に印刷された依頼の句。
(如無法役逓、請退回原処)
配達不能の場合は差出人へおもどしください。
投 送り届ける
逓 次から次へと送り伝える。リレー式に送る。
『歴代宝案1635』
『書簡和觧688』