2022年2月12日
琉球國中山王臣尚貞、誠に惶れ恐み、稽首首して言を上る伏して以みるに、一統の規模を大にし誕に敷き、萬年の暦藪を綿ね丕ひに光華を著し、海を 航り山を梯り 来享し来王の盛なるを極め、天を聞き、同文同軌の休を昭にしたれば、朝野心を傾け臣民徳を頌ふなり。
欽しみ惟ふに、皇帝陛下は、惟れ精にして、惟一にして、年を卜め世を卜め謨烈を有永に光かし、丕に顕らわし丕に承くるなり。
臣貞、蚊島の外藩たる蟻封の荒服は不毛の地と雖へども、徒芹私もて、而して君の誠を愛し、敢へて葵向を忘れんや。敬しんで、陪臣向英・毛文哲等を遣はし、遠かに波濤の険を渉るに、車は指南(註5)➀用ひ、虔んで筐の微を齎すに斗は極北を瞻て、少しく嵩呼して悃を伸て、聊か、日照の光を依むなり。
伏して願わくは江漢は朝崇し星辰は極に拱すれば、
(天子) 虞廷の雅楽を奏して羣が鳳儀の獣舞之祥を瞻て、
(天子) 宗室の賢才を毓くみて豹変鷹揚の績を著さんことを
将に王風十雨して、長く玉燭を存し、以て常に四瀆九州を調へ、大いに金甌を
孔固鞏なりしを見るべし。
臣貞、天を瞻て聖を仰ぎて、激切屏の至りに任営の至りに任ふる無く、謹みて表を奉まつりて、恭しく進めて以て聞る。
康煕肆拾七年十月 日 琉球國中山王臣尚貞謹しみて表を上る。
『書簡和觧677』
『歴代宝案-1634』
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註1-誕 おほきい おほいに
帝乃誕敷文徳『大漢和辞典』
註2-梯 (はしごをつたうようにして高いところへ)のぼる。
(註2)➀ 来享 谓远方诸侯前来进献贡物。『漢典』:遠方諸侯が前来して貢物を進献することを謂う。
(註2)⓶ 来王 指古代諸侯定期朝覲天子『漢典』:古代諸侯が定期に天子に朝覲(侯または属国の王
などが、参内して君主に拝謁すること)する。:⇒古代諸侯が定期に天子に拝謁すること
(註2)➂ 同文同軌 天下を統一すること
(註2)⓸ 朝野 朝廷と民間
(註2)⓹ 臣民 臣下と百姓
(註2)⓺精 優れた物(weblio)
(註2)⓻一 最上のもの;天下一(weblio)
(註2)⓼ 有永 とこしえ
有 ①ある。存在する。「有益」「有事」対無
②もつ。持っている。備えている。「国 有」「所有」 ③また。さらに。「十有余年」
永とこしえ
有永=とこしえに有るもしくは「有余」は余りがあるという意味(web検索より)の造語方法から考えて
とこしえとした。(agijimaの考察)
(註2)⓽ 外藩 諸侯の封ぜられた國:琉球
註3-荒服 古、王服の一つ。舜の時、王畿を去る二千里から二千五百里に至る間をいう。
五服 古代王畿の外国の五つの地域。甸服 侯服、綏服、要服、荒服。
蟻封の荒服ー註3 小さい蟻塚のに封じられた琉球は五服に属するの荒服であるーこうふく(註3)
荒服は王服の一つ即ち 甸服 侯服、綏服、要服、荒服の中の一つの荒服である。
蟻封 とは蟻塚のことである。
このことから小さい蟻塚のに封じられた琉球は五服に属するの荒服である。と考える
註4-芹私 野の芹にこめたささやかな誠意。
「芹」には粗末な献上品をさし、私はそれに備えたささやかな真心。又自己の贈り物の謙稱する語。 https://kotobank.jp/word/%E8%8A%B9%E7%A7%812808135#E6.99.AE.E5.8F.8A.E7.89.88.20.E5.AD.97.E9.80.9A:寸志。
自己の贈り物を謙稱する語。寸志(『大漢和』)
註5-葵向 ひまわりの花が日光の方に傾き向う。葵傾。
葵傾 ひまわりが日光に向ひ傾く。下民が人君の徳を仰ぎ慕うこと。
(註5)➀ 指南 正しい方向に導くので
指南 指南は「教え導くこと
指南車とは、人が引く二輪の車で、車上に人形を備えつけたもの。
車をどの方向に動かしても、人形の手が常に一定の方角を指すよう歯車の仕掛けが施されていました。
いわば当時の方位磁針。 道に迷わないよう方向を示すことから、指南は「教え導くこと」
を意味するようになりました。(web検索)
(註5)⓶ 極北 北京城
デジタル大辞泉「極北」の解説
きょく‐ほく【極北】
1 北の果て。北極に近い所。
2 物事が極限にまで達したところ。「純文学の極北を目指す試み」
[類語]極地・極点・南極・南極圏・北極・北極圏
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例(web検索)
agijimaの考察 北京城
(註5)➂ すうこ:萬歳萬歳萬萬歳
嵩呼 指臣下祝颂帝王,高呼万岁(DuckduckGo検索)
臣下が帝王を祝颂するに、万歳と高く叫ぶを指す。
agijimaの考察⇒萬歳萬歳萬萬歳
(註5)⓸ 日照 天子様の放つ
中国では天子が冬至の日に天を祭るのを郊天の儀といい重要な儀式である
註6-江漢朝崇于海 江水漢水が合流して共に海に赴くこと。諸侯が皆天子を尊で之と朝(参朝_AGIJIMA付加)すると同じであるという。(朝=宮中に参内して天子や身分の」高い人にお目にかかる。天子が政治を行うこと。agijimaの付加)
書 禹貢』 江漢朝崇于海 〔傳〕二水経此州、而入海、有似於朝、百川以海為宗、宗尊也
註7-朝宗 ①諸侯が天子に謁見する義。春見るを朝、夏見るを宗といふ。又 帰服すること。
註8-星辰 ほしをいう。又そのやどり。辰宿。
註8➀ 極 北極星(web検索)
註8_➀ 拱 両手を胸元で組み合わせる。こまぬく「拱手・垂拱」(web検索)
註9-拱極 極に拱す(agijimaの考察
極
拱 両手を胸元で組み合わせる。こまぬく。「拱手/垂拱」
拱手 中国の敬礼で、両手の指を胸の前で組み合わせておじぎをすること。
註9 虞廷 指虞舜的朝廷、相傳虞舜爲古代的聖明之主、故示虞廷爲聖朝的代稱(web検索)
註10 -獣舞 〔徐陵文}獣舞豫禽歌頌平
〔張正侍宴詩〕獣舞依鐘石鸞歌應管弦
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註10
鳳儀獸舞
表示圣贤教化的功效极大,能使神异的鸟兽奋然起舞(WEB検索 首页 > 成语词典 > 正文)
それは、賢人と賢人が教化の大きな効果を持ち、魔法の鳥や獣を踊らせることができることを意味します。(GOOGLE譒訳)
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(註10)➀ 祥 サチ ①さいわい。さち。めでたいこと。「嘉祥(カショウ)」「吉祥」
②きざし。前ぶれ。「祥雲」 ③喪明けの祭り。「祥月」
(註10)⓶ 宗室 広義的な皇族にたいする呼称である。
註11-豹変 ①君子の善に遷って旧悪を改め去るのが顕著で、豹斑采の煥蔚が如きことから善に遷る喩。貧
賤から顕達する例『大漢和』
註12-鷹揚 ①たかが空に飛揚するようにゆったりして武勇を奮うこと。勇威を示すさま。『大漢和』
註13-王風十雨 気候の順調なること。五日に一たび風吹き、十日い一たび雨ふること。『大漢和』
註14-玉燭 四時の気候が調和すれば萬物光輝くこと。玉の燭に似ているからいう。『大漢和』
註15-四瀆(とく) ①四つの大河。長江、黄河、淮水、済水。『大漢和』
②星の名。江、河、淮、済之精。『大漢和』
〇四瀆は古くから神としてまつられてきた。(web検索結果)
註16-金甌 ①金で作った甌。
②領土国体の完全堅固#000000な例。
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康煕肆拾七年十月
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2022年2月12日
『歴代宝案1634』
『書簡和觧677』