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(agijimaの日記)

2020/07/02(木) 2020-07-02 《球陽琉球に雪が降る》

*2021/8/25*  《球陽琉球に雪が降る》


太陽がギラギラと輝き蝉がミーンミーンと五月蠅く鳴いていた1855年のある日のことである。とあるがガジマル木で子供たちが木登りをしている。そこへ歳のころ7〜80歳にもなろうとする顎髭を蓄えた物知りお爺さんさんがやって来た。お爺さんがやって来たので、子どもたちはお爺さんから話を聞きたいとせがんだ。

お爺さんがどっこいしょと木の根元に腰をおろすともう子供たちははお爺さんのの前に座り込んで、お爺さんから話を聞こうと目を輝かせていた。

わらびんちゃー:お爺さん面白い話を聞かせて。

お爺さん:昨日話したからもう話するのはないが、どうしますかね。

わらびんちゃー:なんでもいいよ。面白い話をしてよ。お願いします。

お爺さんはわらびんちゃーにせがまれたので嬉しそうな笑顔を浮かべながら

お爺さん:それではこの琉球にに降った雪の話をしましょう。あなたたちは雪を見たことがあるかね。

というとわらんちゃーを見回しました。わらびんちゃーは胸弾ませ眼はきらきらと輝いていました。お爺さんは嬉しくなりその話を始めました。

お爺さん:ないだろうな。私も雪を見たことはない。しかしな、雪は知っているぞ。それは琉歌に『梅でんすぃ雪に積みらりて後どぅ 匂いましゅる浮世でぃむぬ』と雪が詠われ、また『四季口説』にも『冬はあられの音そえて、軒端の梅の初花の、色香も深く見てあかぬ、花か雪かといかで見分けん、雪の降る枝に咲くやこの花』と雪が詠われているぞ。ところで、あなたたちはこの琉球に雪が降ったと言うのを信じますか。

と言うとわらびんちゃーを見回した。わらびんちゃーはお爺さんをの顔をじーっと見ている。わらびんちゃーの怪訝そうな表情を見て取ったお爺さんは、話続けた。

お爺さん:雪といういうものは、この琉球では、日本旅、あるいは唐旅をした者たちが、そこで見たあるいは聞いた雪を琉歌にしたもだけにしか見られないと思っていたのだ。確か今から10年ぐらい前のことであるが、人の噂でが北谷間切に雪が降ったということはきいたことはあったが、霰か雹かが降ったのだぐらいにしか思ってなかったんだよ。しかしわたしは勉強が好きで昔ののことを色々と調べたんだよ。そしたら有りましたありました。琉歌以外にね。それが北谷間切で雪が降ったという噂話も本当だったんだろうと思ったんだよ。

お爺さんはそこで腰からきざみたばこを取り出して一服しようとした時突然熱心ににお爺さんの話を聞いていた子が

「お爺さん、私にはこの暑い此処琉球に雪が降ったとはどうしても納得できません。何か証拠となるようなものはありますか。」と聞いてきた。

お爺さん:あるんだよ。証拠が有るんだ。ちゃんとした証拠が有るんだよ。

さるでぃきやーわらび:その証拠とはなんですか。

お爺さん:うん、いったーがー見ることは出来ないが琉球には『球陽』という琉球にで起こった色々なことを記録したものがあるんだが、それに載っているんだよ。

でぃきやーわらび:お爺さんその『球陽』にはどいう風に書かれているのですか。

お爺さんはこのわらびに先ほどから疑問を素直に出すでぃきやーだからこの子にはもう少し具体的に詳しく話さなけらば納得しないだろうなと思った。最初は琉球にも雪が降ったことがあるよということだけを話すだけに止めようとおもったが、でぃきやーの熱心に感心した。そこで詳しく話始めました。

お爺さん:そうか詳しく聞きたいのか。ではもう少し話してあげるから、聞き逃しのないように注意して聴くんだよ。わかりましたね。『球陽』を調べると1774年正月27日に久米島に雪が降ったということが書かれていますが、これが琉球で最初の記録なのである。それによると久米島仲里村ででは正月27日から天気が悪くなり雨が降り続き、28日に辰刻というから午前8時頃になって雪交じりの雨に変わったが、降りやんで草木の葉を見るとジャーガル土のようになって枯れた、と言うことが記されていた。

でぃきやーわらび:久米島に降ったことはわかりました。それでは久米島以外は記録はあったのですか。

お爺さん:あるとも、あるとも。その次には1815年12月9日に伊平屋島に雪雹が降ったとあるんだよ。その時は雪が7cmほど積もったようだよ。そのため植えた芋は全部腐れてしまったという。まだまだあるぞ。伊平屋島に降った翌日というから1815年12月10日にまたまた久米島に降ったという記録がありますね。これが琉球に雪が降った『球陽』の3番目の記録だよ。その時も伊平屋と同じように約3僂阿蕕い寮磴積もり かずら 稲の苗の外たくさんの農作物が枯れて大きな被害だったそうだよ。それから4番目として沖縄本島南部の大里 南風原 東風平 佐敷 真和志 小禄 兼城 高嶺 玉城 摩文仁 豊見城 真壁に降ったという1843年2月の記録がある。まだあるよ。それからね5番目に当たるが、つい最近のことでといっても10年ごろ前のことであるが。北谷間切にも雪が降ったんだよ。さっきも言ったが人から聞いたんたんだよ。わしは今までこの暑い琉球に雪が降ったことは信じていなかったが今は本当に降ったんだなと思うよ。どうだねわらんちゃーこれでも信じられんかね。

わらんちゃーはお爺さんの話を聞いて何か不思議であった。蝉の鳴き声はまだ五月蠅かった。太陽はまだかんかんと照り付けていた。この暑い琉球に雪が降ったという。最初わらんちゃーはお爺さんの話を聞いても、もしかしたら本当ににこの琉球にもに雪が降ったんだと思うようになっていた。そして10年前というと自分たちが生まれたころのことなのだということを。もしかしたら誰かから聞けるかもししれないなー、おとーにきいてみよう。と考えているようであった。かんかん照り照り付けていた太陽に雲が掛かり少し日差しが弱くなっていた。その時一人のわらびが立って次の様に言った。

できぃやーわらばー:お爺さん 私はお爺さんの話を聞いてだんだんこの暑い琉球ににも雪が降ったことがあるかもしれないなと思うようになってきました。しかし、私が外のどぅしぐわぁに話したら全部が全部納得して信じてくれるかどうか心配です。だから他人に話しても納得して信じて貰えるようにもう少し詳しく知りたいのですが、『球陽』『琉歌』以外の方法で調べるものを教えてくださいませんか。

お爺さん:おうそうか。信ずるようになったか。オジーは大変うれしぞ。ところでお前は仲々賢いねーじんぶんもちだねー感心したぞ。しかしこれで話を終わろうと思っている。わしがここで話しても良いのであるがこの後はおぬしらが自分で調べた方がいいと思うよ。

できぃやーわらばー:お爺さんからもう少し詳しく聞きたかったのに後は自分たちで調べなさいとは、お爺さんもちょっと意地悪だと思います。しょうがないから調べる手がかり方法などを教えてくださいませんか。お願いします。

太陽がまた顔を雲から出し輝きました。そして暑くなった。

お爺さん:そうか オジーは意地悪か。そおじゃ おじーは意地悪だと言うとハッハハッハと大笑いして続けた。

お爺さん:そうだな 手がかりになるであろうから『組踊』に雪払いというのがあるので調べるといいだろう。それから『琉歌』にも雪を詠ったものがいくつかあるからそれらを全部集めるといいだろう。次にこいつは難解中の難解なものだが『おもろそうし』という奴がある。これは今のお主等には意味が分からないかもしれないが、それでも調べるときっと為になるだろう。それから鶴についても調べるといいよ。鶴については必ず調べた方がいいよ。鶴という鳥は寒い所に住んでいるんだよ。鶴がいるところはは寒いというわけだよ。もし琉球に鶴がいたらどうだろうね。

できぃやーわらばー:鶴が琉球にいるとしたらこの琉球が寒かったということがかんがえられます。

お爺さん:そうだ だから鶴のことを調べた方がいいよといったのだ。

わらばー:鶴以外にもそいうことがわかるものがあるんでんですか。

お爺さん:そうだね。草木なども調べるといいね。

と、その時突然大きな声で「お爺さん」という者があった。今まではただじーっお爺さんーや他人の言うことを聞いてばかりでおとなしかった子だった。

おとなしいわらばー:お爺さん 私は雪を見たことがないので、それってどいうものですか。

お爺さん:あ々そんなことか。わしは何ごとかとおもったぞ。雪を見たことはないなら、どいうものかわかりっこないよね。よーし、ではお主に聞くが雨はわかるね、ほら空から降るあの雨だよ。

おとなしいわらばーが頷くのををみてさらに続けて言った。

お爺さん:雪というものは雨みたいに空から降ってくる雨と同じだが、雨とはちがうぞ。そうだな、とてもとても小さな粒が集まって米粒ぐらいになってサラサラしたものが、寒い時に天から降ってくるものだよ。それが解けると水になるそうだ。その雪について調べてみるのもいいね。雪はどういう時に降りどこで降るのかを調べるのもいいね。何しろわしも雪は見たことがないのだよ。お主たちが大きくなって、唐旅や大和旅ができるようになったら見ることも調べることももできるだろう。

できぃやーわらばー:私は大和旅したことのある人から聞いたことがあるんですが、雪が降ると草とか花とかは枯れると言うのですが本当ですか。

お爺さん:そうらしいぞ。雪が降ると農作物もつくれなくなるそうだよ。伊平屋 久米島で雪が降った時には植えた稲や稲の苗が枯れたというが本当に雪が降ったために枯れたり或いは腐ったりしたと思うんだ。わしは。

できぃやーわらばー:もしも琉球に雪が降ったとしたら、農作物が枯れて生活するのに困っただろうと思います。だからお爺さんが『球陽』に雪が降った記録があるとおっしゃっていましたが、その時に雪が降ったとされる地域は大変困ったと思います。私はその時のその地域の様子を調べればきっと、琉球も雪が降ったかどうかの証拠を探すことができるとおもいます。

お爺さん:なるほどね、雪が降ったら農作物が腐るのは生活に困る。その時その地域での生活に困ってらかどうか調べそうして困っていたのかを考えようという訳だね。いい考え方だと思うがこれをどいう風に調べようかということだね。

できぃやーわらばー:はい さっき『球陽』に載っている話をしてくれたじゃありませんか。きっと『球陽』の中にそのような事例があると思います。だから『球陽』について調べたらいいかとおもいます。

お爺さん:そうだね。もしかしたら『球陽』中にお主がいう事例の記録がされているかも知れませんね。だが『球陽』はお前たちにはまだ読めないよ。難しいよ。もう少し学問に励んでからそれを調べて見るのもいいね。ああいい所にことにきがついたね。だが『球陽』以外に琉球のことを記録したものがあるからね。それか聞くところによると、西洋というところには色々科学が発達しているらしいから、西洋の科学も勉強すると雪について何か面白い発見があるかもしれなしよ。

と言って、立ち上がった。そして「今日の話はうっぴまでぃやくとぅまたやー」と言いつつ杖をついて帰って行った。蝉は五月蠅く泣いていた。わびんちゃーは「明日も話聞かせてくださいね」と見送った。それから木登りを先ほどと同じように遊び興ひた。お爺さんはとある坂の方まで来ると振り返りわらびらんちゃーを振り返り手をふっていた。わびんちゃーは木の上でてをを振りながらあちゃー遊びましょうと答えた。お爺さんは満足そうに、また杖をつきはじめた。

1856年のとある夏のことであった。

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