[附巻0158]【本年新に種痘の法を設け、世人をして之れを種ゑしむ。】古より以来、痘瘡に伝染するには、皆、痂を以て鼻を吹くの法を用ふ。上届亥年、松氏宇久親雲上紀仁、曾て種痘の法を習ひ、泊・那覇・唐栄等の村を巡行して、其の法を小児に用ふ。鼻を吹くの法に比すれば、出痘甚だ少し。後、痂を以て鼻を吹くと雖も、並に再出無し。且聞く、日本は去年種痘の法を小児に用ひ、皆、恙無きを得たりと。客歳幸に呂氏渡嘉敷親雲上通起の、前みて薩州に抵るの便に逢ふ。之れをして其の法を学習せしむ。今般、該通起習ひ来るに因り、世人に着令して、皆、種痘の法を用ひしむ。਀