[本文0016]【[英祖王神号英祖日子]附紀英祖伝説。】恵祖世主は乃ち天孫氏の後裔なり。当時、恵祖は伊祖按司為り。善を行ひ徳を積む。然れども結の後、全く生育無し。晩天に至り、其の妻、日輪飛び来りて懐中に入るを夢む。既にして酸を喜び飯を悪む。恵祖料へらく、是れ前夢の徴有らんと。月既に満ち足り、臨蓐の日、祥光異彩、屋中より雲端に直透するを見、并びに異香屋に満つるや、早や已に一男子を生得す。恵祖、満心喜悦し、之れを愛し之れを惜しむこと異宝の如く一般なり。当時の人、以て天日の子と為す。英祖、生れて聖明、賢と親しみ道を崇び、其の徳大いに著はる。歳二十五、義本の世饑疫並行し民憂に勝へず国勢将に危からんとするに会ふ。英祖、命を奉じ、登りて国政を摂するに、饑疫倶に止み、人心始めて安し。政を摂すること七年、国人之れを仰ぐこと父母の如し。卒に義本の禅を受け君と為る。[即位元年(南宋の景足元年庚申)]਀