[本文0052]【元旦に、石奉行、米を禁城に蒔く。】旧記に曰く、元日の黎明、石奉行、筆帖式並びに石匠長を率ゐ、早く禁城に進む。即ち遏達理官題奏し、而して白砂を、内外丹墀の左右に播散す。之れを称して禁城の米蒔と曰ふと。窃かに按ずるに、洪武年間、明の太祖、閩人を我が王に賜ひ、教を国中に敷き、礼を制し楽を作る。此の時、始めて斯の礼を制し、天、穀粟に雨ふらすの佳瑞の似くして、以て五穀の豊登を賀するならんや。਀