[本文0896]【奥邑の宮城・神里、鉄樹を奥邑に加栽して、深く褒奨を蒙り、黄冠を頂戴す。】国頭郡奥邑の金城・小禄は、倶に辺戸邑に往き、鉄樹を取り来り、始めて奥邑に種ゑ、以て飲食の欠を補ふ。其の男、宮城・神里等、父の志を追継し、克く心力を竭して鉄樹を培養し、已に蕃衍を致す。康煕己丑の年の大饑饉に、人民餓莩す。雍正乙巳・丙午年間、五穀登らず、民亦食を失ふ。彼の二Ŕ䐰㦒鉪砰り取り、国頭・大宜味郡並びに久志郡川田、平良邑・恩覐챛噛Ź吰嘉真邑に給発して以て賑救を為す。是の年に至り、遍く鉄樹の種を発して、国頭府九郡に分給して、預め凶荒の用に供す。਀