[本文1488]【本年、兼城郡糸満村の大城筑登之等の功労を嘉奨し、爵位を頒賜す。】申秋、閩に赴くの頭号船帰国の時、伊平屋島の洋面に在りて、風伯起らず、以て行船し難し。殊に波濤猛湧するの処、兼ねて礁多し。故に憂を為すこと小ならず。幸に兼城郡糸満村の大城筑登之及び本村の金城仁屋、漁を為して該島に在るの時、貢船危難の模様を見て、小舟に駕して走り来る。即ち該両人をして貢船に登り、引導を為さしむ。三昼夜を連ねて励精引導す。是を以て恙無く国に回る。分宜の賞を賜はんことを請ふ等の情、貢船員役朝廷に禀明す。又該大城は、上届辰年、渡嘉敷郡の人、破船の時、性命を救活す。去年、春楷船回棹の時も亦能く力を尽くして引導す。又金城は、上届未年、渡嘉敷郡の人、破船して難に遇ふの時、之れが救命を為す。且上届午秋、閩に赴く頭号船回棹の時、読谷山県海面に領収し、火号の信あるを見て、御船手に急報す。該両人、今に至るまで三次、此くの如きの功労有り。是れに由りて、各爵位を賞賜す。਀