[本文1830]【本年、八重山に阿蘭陀船の漂来する有り。】此の年、伊氏嘉陽正元を遣はし、在番と会同して諸凡の事務を弁理せしむ。時に阿蘭陀人上岸して已に巡査を行ひ、太平山島に赴き到るに因り、該陽、十二月二十六日太平山島に転到す。果して該阿蘭陀人、太平山に到りて、大地より離村に至るまで、遍く巡察を行ひ、十六日に至りて、開船して回り去ること有り。該陽即ち応に回国すべきも、但々阿蘭陀船再び来ると聞き、遂に該島に留在して、翌年六月二十五日に至りて回国す。਀