[本文2208]【本年、天行痘瘡を廃絶し、牛痘を続種するを准す。】此の年夏、閩より回るの員役有りて、天行瘡痂を帯び来る。随ひて羽地郡屋我地に前み赴きて、其の痂を続種せしむ。而して牛痘已に染む者当に天行再染せざるべきや否やの処を将て、或いは人を以て気を伝へ、或いは痂を用つて鼻に吹き、或いは衣を換へて気を沾して、再三歴験を行はしむ。其の已に出づる者は、一の復出無く、其の未だ出でざる者は、以て伝染する有り。此れに因りて之れを考ふるに、牛痘経過者は、天行再出せざるや必せり。因りて聖旨を請ひ、天行庖瘡を廃絶して牛痘を続種す。਀